夢花火
部屋に入ると、土方と近藤が苦々しい顔で座っていた。
「どうして、私がいない間にこんな事に…」
近藤が大きくため息をつく。
「山南さんの荷物が、全てなくなっています」
藤堂達も、中に入ってくる。
「あの、馬鹿野郎…」
土方もずっと下を向いていた。
皆、焦った表情を浮かべる。
「こんな事しちゃいられない。早く、皆で探しに行きましょう‼」
沖田の言葉に、皆が頷く。
…しかし。
「…その必要はない」
土方は、頷かなかった。