夢花火
その時。
「──休むな!手を動かせ!手を‼‼」
鬼のような怒鳴り声が、屯所の中に響き渡る。
声がした方を見ると、鬼の形相をした土方が竹刀を持って立っていた。
「は、はい!」
「副長!すみませんでした‼‼」
そんな土方を見て、ペコペコと頭を下げ、作業を再開する隊士達。
「…はぁー……」
何度目か分からないため息をつき、私も手を動かす。
…早く終わらせよう。
せっせと手を動かし、作業を進めていった。