夢花火
廊下を歩いていると、話し声が聞こえた。
「…先生。それは出来ません」
沖田の声だ。
何を話しているんだろう…。
「もう一度言います。あなたは、労咳という病にかかっています。今すぐ新撰組を抜けて、私の所でしっかりと療養して下さい」
それを聞いた瞬間、鼓動が大きくなるのが分かる。
気付いていたけど、その現実は受け入れたくなかった。
「私は、自分の命を全て新撰組のために使うと決めています。私の未来がどんなものであろうと、それは変わりません」
「…しかし…」
「…病にかかっているのなら、尚更じゃないですか。残り少ない時間を、新撰組のために…。近藤さんのために、使わせて下さい。お願いします」