夢花火





「千春さん…。離れて下さい…」


咳き込みながら、小さな声で沖田が言う。


「労咳は、人に移る事があるから…。ごほっ、げほっ…」


私は構わず、沖田の背中をさすり続ける。


「だから、何だ。仲間の病をほっとけるか」



沖田は更に顔を苦痛に歪め、


「…ゴホッ…」


激しく咳を繰り返し、吐血した。


「沖田…」


「すみません、千春さん…」


「どうして謝る」


「いえ…」




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