夢花火





「ほら、横になれ」


沖田の布団を敷きながら、そう言う。


「咳も収まったし、大丈夫ですよ」


「そんなわけないだろう」


「…稽古も、しないと」


「頼むから、無理をするな…」


私は無理矢理、沖田を布団に横にさせる。


「しっかり寝ろ」


「千春さん…」


「私だって、元気になった沖田と早く試合がしたいんだ。だから、早く治して…戻って来い」


「はい…」


沖田は、ゆっくりとまぶたを閉じた。




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