夢花火
悪い出来事の連続だった。
「──山崎⁉」
江戸へ向かう前に、山崎が額から大量の血を流して帰ってきた。
「大丈夫か⁉」
そこに慌てて駆け寄る。
しかし、山崎は無理に笑った。
「大丈夫です…。監察なのに、情けないです」
「そんな事…」
「新政府軍にも、顔を知られてしまいました。…監察失格です」
「そんなわけないだろう!」
私は、近くにいる隊士に目を向ける。
「お前、包帯を持ってこい!」
「わ、分かりました!」