夢花火




ズキンと、心の奥が痛む。

土方は、ふぅ、と一つ息をついた。


「千春」

「何だ?土方」


土方は真剣な顔をしていた。


「これから、俺は北へ進んで行く」

「…うん」

いよいよ、この時が来てしまった。

「お前は、ここに残れ」


一瞬、目の前が真っ白になった。


「何で…」

「頼む。もう、お前を危険な目には合わせたくない」



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