夢花火




「これが、雪だるまだ」

土方は少し微笑んだ。

「よし。俺も作ろう」

不器用な手付きで、土方は雪を丸めていった。

「難しいな…」

私は笑った。

ほんの少し、これからの事を忘れられた。

「…何で、上のやつがそんなに大きいんだ」

「じゃあ、下を大きくしないとな…」

「大きすぎだ」

真剣な顔で、土方は作っていく。

ようやくまともな形に整った。




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