夢花火




すると、奥からお母さんが出てくる。


「千春⁉家で何をするの⁉」


うわ…。

もしかして、怒ってる…?


「あぁ。勉強しようと思って」

「あ、あの…。水野日和といいます」


お母さんは、気持ちをあまり表情に出さない。

だから、今も何を考えているのかさっぱり分からなかった。


「どうして、もっと早く言わないの!」

「…ごめん」


どうしよう。

隣では、日和が焦っている。

しかし、次の瞬間お母さんの口から出てきたのは、予想していなかった言葉だった。


「お菓子もジュースも、何もないけど、いいの⁉」




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