夢花火




「新撰組は…」


言葉が、詰まってしまった。


…その原因は、一枚の写真と、ある一文。


「……っ」


土方歳三。

箱館戦争で、銃に撃たれ戦死──。


「あ…」

「千春…?」


また、涙が溢れてきた。

今日の朝みたいに、涙が止まる事はなかった。

「千春っ!わわっ、どうしちゃったの急に!」

「ごめん、日和。何でもない…」

必死で涙を手で拭う。

「何かあった?話して?私で良かったら聞くから…」


日和の気遣いが嬉しかった。




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