夢花火
初出勤
「千春さん、行きましょう」
次の日の朝。
壬生浪士組に入隊して初めての巡察が始まる。
沖田と土方が、私に近付いてきた。
「甘味所は、非番の時だからな?」
土方が言った。
「ええ。分かってますよ。ね?千春さん」
「あ、ああ…」
すると、土方がチッと舌打ちをした。
「…ったく。本当に分かってんのか?」
「行って参ります」
沖田はそう言うと、隊士を引き連れてスタスタと歩きだした。
私も慌てて、それについて行った。
その時に、後ろから土方の舌打ちが、もう一度聞こえた。