夢花火
「沖田…」
「でも、私はどんな風に思われても、壬生浪士組に尽くします。近藤さんに、全てを尽くします。そう決めたから、江戸からここまでやって来たんです」
いつものように涼しげな笑顔で笑う沖田。
悲しげな目をしているが、その奥には決意の色もあった。
「千春さん…。人を斬ったことがないでしょう?」
「…ああ」
「貴方は、本当に壬生浪士組に入っても良かったんですか?何で入ったんですか?」
「それは…」
思いつかなかった。
何故、ここを自分の居場所にしようとしたのか。
「一番の理由は、帰る場所がないからでしょう?」