夢花火
私達は、その半分位しかいなかった。
「私は、五人を相手します。千春さん達は、残りをお願いします」
沖田は小さくそう言うと、スッと刀を抜いた。
他の人たちも、次々と抜いていく。
沖田は、たった一人で五人に立ち向かっていく。
私…私は…。
勇気がなかった。
人を斬る勇気が。
迷っているうちに、敵の一人が私に向かってきた。
…そんなことを考えている暇はない。
私も、刀を抜き、相手に向けた。
カキンッと、刀のぶつかり合う音が響く。
「貴様…。女か…?」
「…はい」
一旦離れ、互いに様子を窺う。