夢花火




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「傷は、そこまで深くはありません。暫く安静にしていれば治ります」


屯所に帰ると、山崎烝という隊士が手当てをしてくれた。

山崎は、壬生浪士組の監察方だ。


「…ありがとう」

「いえ。では、失礼します」

山崎と入れ違いに、土方が入ってきた。


「松林。傷は大丈夫か?」

「…大丈夫だ」

「そうか…。巡察初日に、ひどい目に合わせたな。すまなかった」


そう言い、土方は頭を下げた。


「土方…。大丈夫だ。気にしなくていい。」

私がそう言うと土方は頭を上げた。



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