夢花火




「だが…。俺は、お前に危険な目に合わせた。お前は女だというのに。本当に、すまなかった」



土方は、本当に申し訳なさそうに謝る。

…私が変わらなければならないんだ。

私がこのままでは、鬼の副長であるこの人にまで、心配をかけてしまう。



『あなたの志は、何ですか?』


ふいに、沖田の言葉を思い出す。



私の志…。

それはーー。



「……私は武士になりたいです」


突然の私の言葉に、土方が目を見開く。


「いくら強いとはいえ、お前は女だ」



土方を見て、首を振る。

そして、目をしっかりと見つめて、こう言った。




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