夢花火




「私の居場所は、ここだって気付いたんだ。土方に認めてもらいたい。」

「………」

「なのに私は、何も出来ていない」

土方は、黙って私を見る。

「私は、壬生浪士組の一員として、刀を持つ。敵を斬る。ここが好きになったんだ。私は、ここの仲間になりたいんだ。だから…」


言い終わる前に、土方は私の頭を撫でた。

驚いて土方見ると、少しだけ微笑んでいる。


「馬鹿か。お前はもう、とっくに俺らの仲間だ」

「…ありがとう。土方」


何故だか、涙が溢れてきた。

涙が出るのは何年ぶりだろう。


目をこすって、涙を止めようとする。



< 53 / 345 >

この作品をシェア

pagetop