夢花火
「今夜、俺らは大和屋に行く」
「…そうですか」
なるべく平然に答えた。
本当は、すごく緊張していた。
「お前も来ないか?」
普通だったら、何をされるか分からないから、「行く」と言うだろう。
『芹沢には気を付けろ』
『絶対について行くな』
土方の言葉を思い出す。
「ごめんなさい。行けません」
ピタッと芹沢の動きが止まった。
「残念だ。お前は、近藤派か」
そう言うと、ピシャッと顔に酒をかけられた。
「俺に逆らうなよ。次はねえからな」