夢花火
「…すみません」
「もういい。…行け」
パッと立ち上がり、部屋を出た。
酒で濡れた顔を手拭いで拭きながら、部屋へ向かう。
その時、後ろからバタバタと足音が聞こえた。
「ーー松林!」
振り向くと、土方が立っていた。
「土方…」
私の濡れた髪を見て、驚いた顔をする。
「…芹沢にやられたのか」
「ああ。でも、大丈夫だ」
そう言い、微笑む。
「…悪かったな」
「何で土方が謝る」
そう言うと、土方は目を伏せた。