夢花火




芹沢は、酒を片手に豪快に笑いながら、大和屋が燃えていくのを見ている。


「壬生浪士組筆頭局長、芹沢鴨だ!俺に逆らうと、どうなるか分かったか!」



新見など、芹沢派の人達が次々と物を燃やしていく。

大和屋は、もうボロボロだった。

私も、土方も…この光景を見て息をのんだ。



突然、近藤が声を張り上げる。



「芹沢さん!もうやめて下さい!」



芹沢は、上から睨むように私達を見ていた。



「俺らに逆らった罰だ。これぐらいして、当然だろう。…おら、もっと燃やせ!はっはっは!」


近藤がどんなに止めても、芹沢は笑って酒を飲んでいた。





< 67 / 345 >

この作品をシェア

pagetop