夢花火
芹沢は、酒を片手に豪快に笑いながら、大和屋が燃えていくのを見ている。
「壬生浪士組筆頭局長、芹沢鴨だ!俺に逆らうと、どうなるか分かったか!」
新見など、芹沢派の人達が次々と物を燃やしていく。
大和屋は、もうボロボロだった。
私も、土方も…この光景を見て息をのんだ。
突然、近藤が声を張り上げる。
「芹沢さん!もうやめて下さい!」
芹沢は、上から睨むように私達を見ていた。
「俺らに逆らった罰だ。これぐらいして、当然だろう。…おら、もっと燃やせ!はっはっは!」
近藤がどんなに止めても、芹沢は笑って酒を飲んでいた。