夢花火





そして暫くして、近藤は大阪に行った。


土方の部屋の前を通ると、話し声が聞こえてきた。

思わず立ち止まる。



「ーー芹沢さんを斬るべきです」


これは、山南…?


「お前と意見が合うなんて、珍しいな」


土方と山南が話している。

芹沢を、どうするかについてーー。


「これを見てくれ」

土方が話すと同時に、ガサガサと物音がした。

「これは…?」

山南が聞く。


「壬生浪士組の法度だ」

暫くの間、沈黙が続いた。



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