夢花火
本当の事
私は、まだ言っていない事があった。
いつまでも隠していてはいけない。
「土方、話がある」
「急にどうした」
土方は、少し笑いながら、その場に座った。
「実は、ずっと隠していた事があるんだ」
「何だ、長州の間者だとか言うのか?」
少し冗談を言うように、土方は笑う。
「いや、そうじゃない。実は…」
「言ってみろ」
その言葉に、ゆっくり頷く。
「私は…。この時代の者じゃない」
「は……?」
土方の表情が、厳しいものになる。
「私は…約150年先の未来から来た」