夢花火




日和から団子を受け取り、一つ、口に入れる。



「…美味しい」


沖田や桝屋が言っていた通り、ここの団子は美味しかった。



「本当?良かった」


日和は、そう言って微笑んだ。


すると、いつの間にか食べ終わっていた桝屋が立ち上がる。



「俺、もう帰るな」


「桝屋さんも、何か店やってるんですか?」


沖田がそう聞いた。


「ああ。向かいの、桝屋っていう店で働いている」


「そうなんですか」



沖田が頷いた。



「じゃあ、また来るよ。日和」



そう言うと、桝屋は店から出て行った。



暫くして、私と沖田も食べ終わる。




「日和、美味しかったよ」



そう言うと、日和はにっこり笑った。



「良かった。また来てね。沖田さんも」


「ああ」


「じゃあ、日和さん。また今度」




そして私達は、屯所に帰って行った。




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