夢花火
次の日。
「千春、また来てくれたの?」
「ああ。日和に話があって来た」
「どうしたの…?」
日和は、私の隣に並んで座った。
「…日和、桝屋と仲いいよな?」
「うん。桝屋さん、いい人だよ。桝屋さんがどうかしたの?」
「授業で習った池田屋事件、覚えてるか?」
そう聞くと、日和はうーん…と首をかしげる。
「何となく…。新撰組が、長州の人達を捕まえたんだっけ?」
「ああ。池田屋事件が起きる前、長州の人達は作戦を立てて、少しずつ準備をしていた。」
「うんうん」
「それで、ある人が長州の間者として、京に潜んでいたんだ」
「へぇ~」