夢花火
「その人は、京の様子を手紙で伝えたり、武器を調達していたんだ。その人の名前は、古高俊太郎だ。聞いたことあるか?」
「うん…。何となく覚えてるよ。それで?それと桝屋さんが、何か関係あるの?」
「よく聞いてくれ。お前は、信じられないかもしれないけど…。その古高俊太郎が、桝屋喜右衛門なんだ」
そう言うと、日和の目が大きく見開く。
「ちょっと待って。じゃあ、桝屋喜右衛門って名前は…?」
「…偽名だ」
日和は、ギュッと手を握った。
「桝屋は、よくお前に新撰組の事とかを聞いてこなかったか?」
そう聞くと、日和は頷いた。