桃と空
今日は特別、お気に入りのケーキ屋に寄った。

バイトの子なのか、最近見かけるようになった女の子。

中学生かな。

素敵なスマイルを振り撒いてくれる。

可愛い子だなと思いつつ、ケーキを受け取り店を出る。

落ち着く時にはやっぱ甘いものだよね。

ここのケーキ美味しいからきっと喜んでくれるだろーな。

美味しそうに食べる姿が想像できて、クスリと笑ってしまう。


いつも放課後たまり場にしてる喫茶店に向かった俺。

俺の友達の雅の知り合いがやってる店だから、だいたい自由に使える。

ケーキ屋からそこまではそう遠くないから、歩きでも行ける。

てか紗夜ちゃん、大丈夫かな。


「たっだいまー」


「ここはおまえの家じゃねぇよ」


帰ってきて早々、目付きの悪い人にバカにされる。


「俺たちの家みたいなものでしょ」


ムッときたから笑い返してあげる。


「紗夜ちゃんは??」


「奥で寝てる」


「全く…」


奥の部屋に行くと、南柘が言ったようにスヤスヤベッドで寝ていた。

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