堀江くんの遠回りな恋
オレは結局、これ以上待っていても今里からは何も言わないんじゃないかと思い


仕事を終えて会社を出ると、先に退社した今里に電話をかけた


こうなればオレから返事を聞こう


そう思って電話をかけたものの一向に出ない…


着拒否か?


めげずにしつこくコールする


流石に、一旦、切ろうかと思った時







「も、しもし…」


すごい声の今里が出た


「どうした?その声」


「ねつ…」







それっきり電話が切れた


ねつ…?


ねつ…熱か?


熱って…アイツ





オレは少し考えた後、もう一度電話をかけた



「もしもし…悪い…桜川に聞きたいことがあって…」




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