堀江くんの遠回りな恋
「……ごめん…なんて言うか……」
「これが堀江さんの答えなんですね」
戸惑うオレに対して茜は乱れた服を整えながら淡々と言う
「……本当にごめん」
オレは、とんでもない事をしてしまったんだな
オレは完全に茜を抱くことを止めたのだ
茜をとても傷つけた…
なんて言えばいいのか
「申し訳ない……」
「謝らないでください。……惨め過ぎます」
「………………」
他に言葉が見つからない
「私、実は田舎に帰ろうと思ってて」
髪を整え後ろでキュッと一つに結びながら茜が言った
「えっ!?」
「だから、田舎に帰って親が薦める人とお見合いしようと思います。」
「えっ、お見合いって…」
「引き止めてくれるんですか?」
「あっ、いや……ごめん」
「また、謝る。本当は堀江さんにお見合いの事を話して引き止めてもらいたかったんですけどね」
「ああ……そうだよな」
と、答えると
「ほら、それ、ダメですよ。堀江さんのその中途半端な優しさは、はた迷惑ですよ」