こんな日もあるさ
◆避難所の2日目 3/13

地震から3日目。

市内の一部で電気が復旧したそうだ。

そろそろ家に帰る人が出はじめる。

前夜、私の母を何かと気遣って 下さったご家族も家に戻っていった。

さて、これからどうしようと思っているところに、若い女性から声をかけられた。

「すみません。ここに赤ちゃんを連れた若いお母さんがいませんでしたか?」

うーん……昨日は人がいっぱいいたからなぁ

「妹なんです。だんなさんは単身赴任で赤ちゃんと二人きりなんです。実家は山形で、連れて帰ろうと思って迎えに来ました」

必死なお姉さん。

と、言われてもなぁ

その時、私の脳裏に昨夜の父さんが浮かんだ。

( ̄▽ ̄*)妹さんの住所は分かるんだよね?

頷くお姉さん。

( ̄▽ ̄*)ここに入る時、名簿に名前書いたんだ。

ほら、あそこに座ってる人いるでしょ?
あの人に言えばきっと名簿を見せてくれるよ。

見つかるといいね、と大雑把な気質の道産子らしくその場でお姉さんを見送って『解決』した訳だが、律儀な山形人は違った。

しばらくしてお姉さんは戻って来た。

「見つかりました。今は家の整理に帰っているそうです。場所も教えてもらったので行ってみます」

( ̄▽ ̄*)よかったね

「ありがとうございました! 本当にありがとうございました!」

お姉さんは、こちらが恐縮するほど何度も頭を下げて行った。


(・・;)私、ほとんど何もしてませんが
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