こんな日もあるさ
◆避難所を出る

家に帰った人達のスペースがまばらにあいているので、一度全員で掃除をしてから区画整理をし直そうということになった。

区画整理をして隣になったのは、口うるさいおばちゃんだった。

おばちゃんは言う。

「こういう時こそみんなで助け合わなきゃ」

(はぁ そうですね)

「私達はずっとこの場所にいたんです」

(区画整理し直したんだものしょうがないでしょう)

「こっちは9人もいるんだからもっとそっちにずれてくれない?」

(通路にするからここは空けてくれって言われただろうが!)

「すいませーん!通路ってこんなに広くいるの? こっちは9人いるんだけど。ずれていい? ほらほら、そっちにずれて。こっちは9人なんだから。
だいたいあなた達何丁目? ここは2丁目。3丁目はあっちよ」

母がムッとする。
「係りの人がここを使ってって言ったんだけど」

( ̄▽ ̄∥)あは…あははは

その後も嫌~なやり取りがあって、母は怒って毛布を引き被って横になってしまった。
おばちゃんは、やり過ぎたと思ったのか私にしきりに話しかけるが、何を言ってもアクが強く嫌~な感じがいや増していく。

(; ̄ー ̄A やれやれ

駅前は電気復旧してたよな

そろそろ交通情報も知りたいし

ちょっと電話かけて来るわと公衆電話へ。
以前泊まった事のあるホテルに電話する。風呂は入れないが営業はしているという。電気と水道も使える?
充分ですとも。

避難所の係りの人に退去の旨を伝え、母を連れて駅前のホテルへ。

そしてそこで驚愕の事実を知る事になる。
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