二人一つ
残酷な神の褒美
それから神は哀れみ、『美夜綉』が生まれ変わる時、二人の『同じ』人間にしたのだ。
それが『稲瀬優紀』たちだった。
二人は血の繋がらない他人だ。
だが、二人は『美夜綉』なのだ。
それ故に、『美夜綉』が叶えられなかった恋が、叶えられることになったのだ。
だが、神はいくつか条件を作った。
二人は『同じ』である故に、二人のままならば『美夜綉』の死んだ20の歳までしか生きられない。
どちらかが、それまでに死に、二人の『美夜綉』が一人になれば、一人に死んだ方の命が与えられ、死ぬまで生きることができる。
しかも、17の歳で二人がそのことに気付くようにしたのだった。
その上、神は残酷な遊び心を働かせたのであったのだ。
その17の歳に気付いた時、必ず『同じ』お互いを激しく憎み、恨み、殺したいと思うようにしたのだった。