たいせつなもの
過去
周りが彼の事を悪く言ってる
それが耳に入ると痛かった。
『悪く言わないで』心の中で叫んだ。

休憩中私は、グッタリしていた。テレビは付いていたけど、内容は全く頭に入らない。ただ見てるだけだった。


ガチャ


『お疲れ様です』


彼だった。


何となく気まづい私に対して彼は普段通りだった。


『あっ…あのさっきはありがとうございました。』
私が言った
『ん?何が?』
『さっきの脚立の…』
『あ~~あれはあいつらが悪いからね』
私は『あの、でも大丈夫です。仕事だし…何よりノリさんが悪く言われちゃいますよ』必死で言った

彼はキョトンとした顔で私を見ながら『ハハハっ(笑)別に気にしてないから』と言った

私は『ノリさんって強いんですね、私なんて常に嫌われたくないって気持ちで人の顔色ばかり見てきたんです。だから、一人でいると楽なんです…』とどうでもいい話をしてしまった。今までの色んななことを思い出しながら我に還ると彼が真剣な目で私をみつめていた。『すいません。大切な休憩中にこんな話して…私もう行きますからゆっくり休憩してください。』と慌てて彼に言った。
彼は『ちゃんと聞いてやるから、言えよ。』
と言った。
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