たいせつなもの
アルバイト先で知り合ったノリという男に私は運命を変えられた。

彼は一見とてもクールで話しかけにくいオーラがあった。

私はなぜか彼が気になっていた。

目が合うと、
『何?』
と言われ、私は
『別に何でもないです。』と言った。
金髪で色白。身体は細く今時の彼。
きっと彼女がいるにちがいない。だから私は話すキッカケとして
『ノリさんって彼女いるんですか?』と聞いた。するとご飯を食べていた彼の箸が止まり、
『居ない。何で?』と聞き返された。
いるよと言われると思っていた私は意外な返事に戸惑い、つい
『ノリさんって遊んでそうだから、いるのかと思って…』といってしまった。
『見た目がチャラいから?それよく言われる。でも俺は彼女が出来たらぜってぇ泣かせるような事はしないよ。』
そう言う彼は少し淋しそうな目をしていた。
『俺の事知らねぇのに見た目判断されるの嫌なんだけど。』と彼が目付きを変えて私に言った。
その言葉で我にかえった私は
『あっ…すいません。失礼なこと言って。悪気があったわけじゃなくて…あの、その…ホントにすいません。』と何度も謝った。そんな私の姿に彼は
『別に怒ってねぇから、いいよ。そんな謝んなよ。』と笑顔で言ってくれた。
< 7 / 15 >

この作品をシェア

pagetop