たいせつなもの
そんな気持ちが日に日に強くなっていた。普段素っぴんに近い化粧なのにアルバイトの日にはバッチリ化粧とかわいいネイル。
彼が来る時間まで待ち偶然を装い会う

『おはようございます。今からですか?』
『あっおはよう。偶然だな。昨日も同じ時間だったよな?』『あっはい。偶然ですね』
『案外気が会うのかもな。俺たち。(笑)』
…偶然じゃないよ。待ってたんだよ。
なんて言えるわけもない。言ったら引かれちゃうかもしれない。ストーカーみたいに気持ち悪く思われるかもしれない。
だから、笑顔でただただ笑うしかなかった。

< 9 / 15 >

この作品をシェア

pagetop