Time【仮】
第一章
傷
もし、目の前に
自分の大切な人が悲しんでいたら
真っ先に手を差し伸べてあげれるだろうか。
それとも、
誰かが自分の代わりに助けてくれるのだろうか?
自分に助けられた大切な人は
一体、どんな顔で自分を見るのだろう。
自分に見捨てられた大切な人は
どんな瞳で自分を睨み、憎むのだろう。
考えるだけで答えは出ない。
そんな事くらい分かってるんだ。
夢の中で何回も、何回も
この場面が浮かんでは消えて。
結局、大切な人の表情が見えないまま。
大切な人が、誰なのかさえ分からない。