BASKETBALL
次第に、三人の中でお約束みたいなのができていた。


お気に入りの先輩の脱いだジャージはその人がたたむ事。


でも、実際全てがそううまくいく訳ではない。


たまたま脱いであったジャージをたたもうとしたら、他の子のお気に入りの先輩のジャージだったり…


脱ぐのを見ていない限り胸の名前の刺繍を見るまで、誰のジャージかわからないのだ。


真美は、私や奈緒子が宏明先輩のジャージを間違って畳んでしまうと、すごく不機嫌になる。


自分だって、真二先輩や、隆先輩のを畳むくせに…真美は自分がされるとすぐ顔に出た。


「真美…ごめんね。気付かなかった」


「………。あっ!奈緒子〜!」


極端に真美は私をシカトした。


そしてわざと、


真二先輩にベタベタし始めた。


「真二先輩〜」



実際、こんな担当制みたいなやり方、これからずっとなんて絶対無理だよ…



私は、真美と真二先輩のじゃれ合っている姿を見ていられずに水飲み場に水を汲みに向かった。



「はぁ〜…」



「なんだぁ〜??でっかいため息なんかついて」


後ろから誰かの声がした。
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