BASKETBALL
「エリ、どこかみたい所ある??」


「あたしねぇ〜実は見たい所あるんだぁ♪ナミカ付き合ってくれる??」


エリは申し訳なさそうな顔をしながらも楽しそうだ。


「うん!いいよ!」


「やったぁ〜!!じゃあ行こう!!」


そう言ってエリは私の手を引っ張るようにして走りだした。


着いたのは野球部が練習しているグラウンド。


「野球部??」


「エヘヘッ…実はね…野球部の先輩に好きな人がいるんだ…」


エリが照れたように言った。


「そうなんだぁ〜もしかして…あの人??」


「えっ!?何で分かったの??」


「やっぱりね〜エリの視線見てればわかるよ!」


エリの目はまさに恋する乙女だった。


真っすぐで…


優しい眼差しのエリの目は、女の私から見てもキレイだった。




エリは一つ上のその先輩と同じ中学で、前に付き合っていたけど先輩の卒業と共に別れてしまったらしい。


別れた後もエリはずっとその先輩を好きでいたんだって…


「先輩がね…マネージャーやらないかって言ってくれたんだ。もう無理だって分かってるんだけど…なんか期待しちゃって…」


エリはそう言って少し悲しい顔をした。
< 5 / 19 >

この作品をシェア

pagetop