お粥
中には
そう
真っ白なお粥。


ここまできて、いらないなんて
言えないし、むしろわざわざ作って持ってきてくれたわけだし
食べなきゃなと思った。


看護士さんが口に運んでくれた。


母のお粥よりは、
味があってましだった。


他人の私に作ってくれた。
あのおかゆ。


母はよろこんでいた。

『良かった。私のお粥は食べないのに。
看護士さんってやっぱり、凄いんですね』
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