君にすべてを捧げよう
「智」

「え?」

「智って、呼んで」

「と、とも?」

「もう一回」

「とも」

「もう一回」

「……智」

「はい」


今度は深く重なった。舌が押し入って、掬い上げる。
息をする間もないほどに、求められる。



「めぐる。好きだよ」

「めぐる」

「めぐる」



何度も呼ばれる名前が、思考を止める。
絶え間なく優しく与えられる感覚が、躰に熱を与えていく。

ワンピースを脱がされ、下着も除かれる。
隠すものを無くした乳房は、智の手に包まれて形を変えた。


「あ……や……」


時折、指先がくるりと先端を転がし、躰がしなる。
口に含まれれば、声が溢れた。

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