君にすべてを捧げよう
夕方にお客は途切れ、ラストオーダーの18時半になるのを待って、閉店した。
後片付けに、カルテの整理、日報の送信など全て終わったのは、19時半。
全員で店を出た。
馬渡くんと千佳ちゃんはバイク通勤で、店の裏に停めている。
なので裏口で分かれ、あたしと智は駐車場まで並んで歩いていた。
「……もうすぐめぐるの誕生日だね。何が欲しい?」
「若返りの薬」
「はは、それは無理かなー……。エステ券とか?」
「えー、それはいらない。麻美さんにフェイシャルマッサージ頼んでるんだもん。よそに行ったら怒られちゃう」
麻美さんは仕事しながらエステティシャンの専門校に通い、本店では卒業と同時にマッサージのサービスを取り入れたのだ。
中々気持ちいいらしく、好評だと言う話を本店の子から聞いたばかりだ。
「めぐるもやりたいって言ってたよね。確か資格持ってたでしょ」
「やりたいけど、無理だよ。美容学校の授業でちょっと齧っただけだもん。麻美さんみたいにそれ専門の学校に通わなくちゃ商品にならないし。それに、うちの店狭いもん」
二号店は、本店の半分ほどの大きさだ。
椅子の数も本店の半分の四台で、断然小さい。
フェイシャルの施術ができるスペースなどないのだ。
「本店に行くか、他の店に行くか、その二つしか道はないなー」
しかし、あたしは元々二号店で採用されているので、本店に移動する可能性は低い。
それに、心地よい今の店を捨てて、別の店に移動するつもりもない。
「あとは、自分で店を経営する、とか?」
「おお、智名案! でも、ちょっと難しいかなー。経営なんて自信ない」
後片付けに、カルテの整理、日報の送信など全て終わったのは、19時半。
全員で店を出た。
馬渡くんと千佳ちゃんはバイク通勤で、店の裏に停めている。
なので裏口で分かれ、あたしと智は駐車場まで並んで歩いていた。
「……もうすぐめぐるの誕生日だね。何が欲しい?」
「若返りの薬」
「はは、それは無理かなー……。エステ券とか?」
「えー、それはいらない。麻美さんにフェイシャルマッサージ頼んでるんだもん。よそに行ったら怒られちゃう」
麻美さんは仕事しながらエステティシャンの専門校に通い、本店では卒業と同時にマッサージのサービスを取り入れたのだ。
中々気持ちいいらしく、好評だと言う話を本店の子から聞いたばかりだ。
「めぐるもやりたいって言ってたよね。確か資格持ってたでしょ」
「やりたいけど、無理だよ。美容学校の授業でちょっと齧っただけだもん。麻美さんみたいにそれ専門の学校に通わなくちゃ商品にならないし。それに、うちの店狭いもん」
二号店は、本店の半分ほどの大きさだ。
椅子の数も本店の半分の四台で、断然小さい。
フェイシャルの施術ができるスペースなどないのだ。
「本店に行くか、他の店に行くか、その二つしか道はないなー」
しかし、あたしは元々二号店で採用されているので、本店に移動する可能性は低い。
それに、心地よい今の店を捨てて、別の店に移動するつもりもない。
「あとは、自分で店を経営する、とか?」
「おお、智名案! でも、ちょっと難しいかなー。経営なんて自信ない」