君にすべてを捧げよう
あはは、と笑ったところで、駐車場についた。
「じゃあ、あとでね」
「ん。あとで」
お互いの車に乗り込んで、智のアパートに向かった。
簡単なものでいいと智がいうので、冷製パスタにした。
生野菜をたっぷり盛り付けたパスタに、智の好きなオニオンスープをつける。
「いただきまーす」
「いただきます……」
「?」
智の好きなメニューばかりのだというのに、智は様子がどこかおかしい。
上の空というか、別のことに集中しているみたいなのだ。
いつもは食事中もよく話すのに、あたしの話に相槌を打つだけ。
ではあたしに意識がないのかと思えば、じいと見つめてくる。
しばらく様子をみていたのだったが、お風呂に入っても、ぼうっと天井をみてばかり。
「どうかしたの? 今日のオーナーとの話のこと?」
湯上りに、とうとう聞いてみた。
と、智があたしの顔をじっと見る。