君にすべてを捧げよう
「い、今なんて?」

「行ってもいいぞ、俺」


んん、と大きく伸びをしながら言う蓮。


「困ってるんだろ? いいぞ、行く」


何時に行けばいいんだ、と続ける蓮に慌てて訊いた。


「ほ、本当に本気で言ってんの?」


助かる。助かるけども。
でも、普段の蓮なら絶対断りそうなのに。


「ああ。美容室っていいかもしれんしな」

「は?」

「いや、読み切りのネタにな。美容室は使ったことないんだよな、俺」

「あー、ソウデスカ」


そういうことね、はいはい。
納得だわ、うん。

ていうか、人の職場を性的な目で見て欲しくないんですけどー。
真面目な場所なんですけどー。

でも、蓮以外には来てくれる人がいない、んだよね。


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