空は、見ている。
それから、美桜さんに語ってもらいました



なんでも、『朝霧湊』という男は、学園の王子様らしい・・・

誰に対しても優しく、成績だって首位だそうだ

おまけに、運動神経も抜群、スタイル抜群、容姿素晴らしすぎるってことらしい

でも、昨日会った湊の印象とはだいぶ違う気がした

確かに、優しい微笑みは見た

けど、そのあとの口調とか態度からして、優しいっていう印象は私の中には、あまりなかった




「湊って、掴めない奴だね」

「あんたって人は・・・、朝霧君に話しかけてもらって、名前まで覚えてもらってるのに・・・。他の女子に知られたら、怖いわよー」

「えー!ヤダ!っていうか、私、湊と関わらないようにするしー」

「それは、梨唯でしょ。朝霧君は、分かんないわよ」

そう言った美桜の顔は、何か思いついたような、そして面白そうなのを見ている感じだった

「むこうだって、こんな平凡な女になんて話しかけるほど、暇じゃないよ。っていうか、もう忘れてるかも、しれないでしょ」

「それは、ないから」

「なんの自信ですか?」

「私の勘です」

「はははははははー」

「笑わないでよー、もうぉ」

あー、また頬膨らませた

これ、美桜の癖だったりするんだよね
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