空は、見ている。
そう言ったら、その子はすっごく可愛い笑顔で笑ってくれた

その笑顔が、俺に向いている事が嬉しくて俺も笑った

さっきまで、泣いてたくせに・・・

「初めて笑ったね」

「俺、女の子の前で泣いてたんだ・・・情けねー」って、この瞬間思ったんだよね

小さかった俺がよくこんな事、考えられたもんだと思うよ





その後は、よく覚えてない・・・

でも、別れるときになって、その子のお父さんらしき人が

「りい、帰るよ」

って言ったんだ



『りい』

その単語だけは、しっかり覚えていた








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