アオい夏
しばらくたってから、悪魔が口を開いた。
「なぜ、殺さない?」
「手が汚れるのはごめんだから。」


「殺してくれた方が良かった・・・。」


「え?」
「もう、戻れねぇ。」



「あなた、指令が出たんでしょ?」


「あぁ。その指令を果せなかったら、殺される。」



それを聞いたとたん、私は鳥肌がたった。


「そんなに恐ろしい、国なのか・・・。」


すると、悪魔は弱弱しく言った。

「俺、ホントは人間殺したくねぇんだ。」

「じゃあ、なぜ殺す?」

「殺さないと、殺されるからだ。」

こいつは、なんて恐ろしい世界で生きてきたんだろう。
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