奇跡
…休憩室に漂う、重い空気。



ちらっと真也を見ると、メンズ雑誌を読んでいた。



外にお昼ご飯を買いに行こうと、ロッカーに財布を取りに行く。



『…飯食いに行くん?』



“うわっ…しゃべりかけてきた…”



『何か買いに行こうかと思って…』



『俺うどん食いたい。』



“はっ?何ゆってんやろこの人…”



『よっしゃ行こか。近くに旨いうどん屋あんねん。連れてったるわ。』



“あんたと食べる美味しい店のうどんより一人で食べるコンビニのうどんの方が数倍美味しいわ…”



そんな事を考えているなんて知りもしない真也は、時間無くなるでっと言いながら、あたしの手を引っ張った。



“マジで食べに行くん…何この強引な人…”
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