奇跡
歓迎会もお開きになり



みんなは足早に終電で帰って行く。



あたしと同じ方向の人は…



和也さん。



途中の駅まで一緒らしい。



『サリーちゃん危ないし家まで送ってくわぁ。』



『和也さんの方が酔ってるし危ないですよ笑』



『でもまだ18の女の子やしなぁ〜』



『駅からチャリやし大丈夫です!それにあたし送ってたら和也さんが電車無くなって帰れないじゃないですか笑』



『あっそっか〜それも困るなぁ…』



悩み続ける和也さんをなんとかなだめて



一人で地元の駅を出た。



自転車を漕ぎながら今日1日の事を思い出す。



“なんか…あっとゆぅ間やったなぁ…”



何故か、真也の顔が浮かんだ。



あの居酒屋で見た



哀しげな顔を…
< 28 / 49 >

この作品をシェア

pagetop