いきごえ
「お前が踏んだから韻が結ばれたんだ。」
紀六はため息混じりに白色を見る
「そもそも韻ってのは神を鎮めるもんだ
普通踏むだけじゃ結べねぇけどな」
「え!じゃあ、このかえる、神様なのか!?」
目を輝かせながらかえるを拾い上げる
「さぁな、
それより、勝手に暴発すんな
無意識に結ぶなって何時も言われてるだろ」
神を鎮める韻は
古代よりこの国、桃源郷に伝わる真髄だ
それを完璧に使えるようになるのは極一部の人間のみ
「帰って鍾離に見せてみよう!」
一人で浮かれる白色
紀六の話など耳に入っていない様子だ
「…そうだな」
紀六は溜め息混じりに黒を呼び、帰路を見つめた