余裕彼氏。【短編】
「んと…そうだったんすね…」
言葉を選んで言ってくれている颯くんに
申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
(あたしから言ったのに、気を遣わせたなぁ…)
と今更ながら思う。
「ねぇ莉緒? 私たちね、明日から莉緒と同じ高校に行くんだけど…私、良い案思いついたんだー♪」
「ええ!? 一緒の学校!? 本当に!?」
「そうだよー♪ で、良い案聞いてくれる? あれ? これ作戦かなぁー?」
と言いながら顎に手をあてて、うーん…と
考えている葉月。
「姉貴…オレ、姉貴の考えてること、なんとなく分かった気がする…」
葉月の隣に座っている颯くんは、
苦笑いしながら目が泳いでる。
「おっ? 本当に? じゃあ颯、役受けてくれるよねぇ?」
葉月は颯くんを横目で見ながら、
ニヤニヤしている。
「…?」
あたしにはさっぱり分からない。
何のことだろう?