余裕彼氏。【短編】
「莉緒?」
とあたしを呼ぶ声にハッとした。
考え事してたら、だんたん違う方に…
「あ…ごめん、颯く…颯。行こっ」
「…うん」
いってきまーすと言ったあと家を出て、二人で肩を並べながら学校に向かう途中…颯くんが足をとめた。
「どうしたの?」
「莉緒さん…やっぱりオレじゃ嫌だよね…? さっきもなんか苦しそうな顔してた。」
と小さな声で颯くんが言った。
「え? 何言ってるの颯くん。さっきのはちょっと考え事してて…」
「…そっか」
と言って笑顔を浮かべた颯くん。
「ごめん…莉緒。よし、気をとりなおして行こう」
「うん」
二人で歩きだした時、向こう側で友達と喋りながら登校している琉生の姿があった。