瞬きさえも忘れていた。

不機嫌の理由（わけ）

翌日のお昼休み。



いつもは事務所二階の会議室でパートの奥様たちとお弁当を食べるのだけど、今日は、営業部の若い女子社員二人と食堂へご一緒させて貰った。



一人は三年先輩の吉田さん。


モデルみたいにスラリと背が高い。肩にかかるぐらいの緩くウェーブがかった栗色の髪も似合っていて素敵。

美人さんだ。



もう一人は同期の樽井さん。


真っ黒な腰まである長いストレートヘアーで、顔のパーツが全て小さくて和風な顔立ち。かなりの小柄で、多分、身長は１５０cmないんじゃないかと思う。

まるで日本人形みたいな女の子。



もちろん、彼に会えるかも、という期待も満々だったけど、それ以上に、彼が一体どんな人なのか、吉田さんに聞いてみたかった。

先輩の吉田さんなら色々知っているんじゃないかと。